メゾネット賃貸物件は投資すべき?メリットと選ぶときのポイントを解説
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武井利明
武井利明
住宅メーカーに約20年営業職で勤務。現在は住宅専門ライターとして住まいの選び方、土地の選び方、ローンを含めた資金計画、プラン、メーカー比較、リフォームなど、幅広いテーマで多数のメディアに執筆。人気動画サイトの住宅系動画脚本なども手がける。営業マン時代に培った知識と経験を生かし、これから家を建てる方の悩みや疑問、不安を解決する記事を得意としている。

メゾネットという名前は聞くものの賃貸物件としてどんなメリットがあるかご存じの方は少ないかもしれません。しかしメゾネットの物件は数が少ないため、ニーズがある地域を見極められれば空室になりにくく長期入居につながる可能性を秘めています。今回はメゾネット賃貸物件のメリットと、投資するべきか判断するポイントを詳しく解説します。

入居者に選ばれるメゾネットの物件に投資し、安定した家賃収入を実現しましょう。

メゾネットは2階建ての間取り

メゾネットは、賃貸の1部屋の中に階段があり1階と2階を持つ間取りです。「単身者向けワンルームタイプ」「家族向けのファミリータイプ」ともにメゾネットの物件がありそれぞれに根強い人気があります。建物の形としては、アパートなら1階+2階になっている1区画が横に連なっていく連棟式が主流です。一方敷地の限られる都心では、1階+2階の1区画が上に積み重なっていく形も見られます。

単身者にメゾネットが人気の理由

単身者向けのワンルームでメゾネットが人気の理由は、室内に階段がありおしゃれに感じられるからです。階段が踏み板と手すりだけのスケルトン階段になっているデザイン性の高い物件なら部屋をよりスタイリッシュに感じられます。さらに階段まわりの天井が吹き抜けになっている物件もありビジュアルを重視する若い入居者に好まれている傾向です。

ファミリー層にメゾネットが人気の理由

横につながる連棟式のメゾネットは、上下階に他の人の部屋がありません。そのため特に子どもがいるファミリー層の場合「泣き声や走り回る音が他の人の迷惑にならないか」といった心配が大きく減ります。特に音による入居者同士のトラブルを経験したことのある人なら上下階がないことは非常に大きな安心材料です。

このメリットは、メゾネットがファミリー層に人気の大きな理由の一つとなっています。

メゾネットは貴重なため人気が高い

メゾネットが人気の理由には、メゾネットの賃貸物件が少ないこともあります。メゾネットは、室内に階段がある分1部屋が大きくなりがちで普通の間取りに比べて建物全体の部屋数が取れない傾向です。多くの投資家は、建築時に部屋数の取れる通常の間取りを選びがちです。メゾネットの賃貸物件は、絶対数が少ないのですが前述のように特定の入居者にとっては非常に魅力的な物件となります。

この結果メゾネットは、求める人にとってレア物件となり人気が高くなっているのです。また実際に住むと入居者の満足感が高いため、長期入居になることも珍しくありません。地域によってはなかなか空きがなく空室になってもすぐに次の入居者が決まる物件もあるほどです。

メゾネット物件に投資する2つのメリット

あらためてメゾネットを不動産投資の対象として見てみると以下の2つのメリットを持つことが分かります。

長期入居になりやすい

人気が高く物件数の少ないメゾネットは、一度入居してもらうと長期入居になりやすい傾向にあります。なぜならメゾネットを選ぶ入居者にとって普通の物件にはないメリットがあるからです。よほどの不都合や他の不満がない限り転居はされにくく安定的な家賃収入が期待できます。

建築費が抑えられる

メゾネットは、建築費が抑えられる点もメリットの一つです。メゾネットは、室内に階段があるため、普通の間取りより面積が大きくなります。そのため同じ面積の建物で作ると普通の間取りよりメゾネットのほうが部屋数としては少なくなる傾向です。その結果キッチンやお風呂といった水まわりやエアコンなどコストのかかる設備が少なく済み1棟あたりの建築費が抑えることが期待できます。

一方大家にとっては、部屋数が少ないため、全体の家賃収入は減る可能性があるでしょう。しかし特定の人たちに人気がありながら物件が少ないメゾネットでれば需要のある立地が選ぶことで通常の間取りより空室リスクを避けることが期待できます。建築から不動産投資を検討している投資家にとって建築費が抑えられる点は、大きな魅力ではないでしょうか。

投資すべきか判断するポイント

間取りとしては高い人気が期待できるメゾネットですが投資判断においては注意すべき点もあります。

ワンルームはデザインを確認

ワンルームでメゾネットが求められる大きな要因の一つは、室内に階段があることによるデザイン性の高さです。しかしメゾネットの賃貸物件の中には、壁面に階段の入り口があり通路のように2階に上がるボックス階段もあります。これでは階段本体が見えずメゾネットのデザイン上のメリットになりません。また階段まわりの吹き抜けの有無もデザイン性を求める入居者にとって大きなポイントです。

メゾネットというだけで人気と判断せず実際のデザインをしっかりと確かめてから投資判断するようにしましょう。

ファミリー向けは防音性をチェック

連棟式のメゾネットなら上下階がないため「他の人に音の迷惑をかけずに済む」と考えてしまいがちですが見落としがちなのが隣の部屋への迷惑です。実は、隣の部屋と分けている壁の防音性は、建物によってかなり違いがあります。音の心配がないことを期待してメゾネットを選んだファミリー層が住んでみたら隣に音が筒抜けと分かれば大きく落胆し転居してしまうかもしれません。

こうした物件では、メゾネットのメリットが十分に活かされていないといえます。隣との間にある壁の中に断熱材が入っているだけでも音の漏れはまったく変わります。特にファミリータイプの物件は、外回りだけでなく隣の部屋との間にある壁の防音性を確かめるようにしましょう。

建物の断熱性能に注意する

メゾネットは、1階で暖房した空気が2階に逃げてしまい暖房効率が悪くなりやすいデメリットがあります。そのため「せっかく入居したものの寒さのあまりすぐに転居されてしまった」ということがないようにメゾネットの賃貸物件を選ぶときは、断熱性能に注意するようにしましょう。RC構造の物件を検討したり木造や軽量鉄骨造なら窓がペアガラスになっている物件を選んだりすると断熱性能の高いメゾネットになります。

需要の判断をしっかりと行う

メゾネットは、特定の入居者層に人気が高いのですが賃貸需要全体で見ると求める人の割合は決して多くありません。そのためできるだけ空室を作らないためにも賃貸需要の多い地域の物件を選ぶことが重要です。メゾネットを求める人の割合が少なくても賃貸に住む人たちが多い地域ならメゾネットを求める人たちも期待できます。

例えば都心のような人口が多く賃貸需要の豊富な地域の物件を選ぶと空室が回避しやすくなるでしょう。

メゾネット物件を運営するポイント

メゾネットの賃貸物件は数が少ないため、同じ地域に比較する他の物件がなく家賃設定や需要の見極めが難しい一面があります。人気が出るかもしれない期待だけが先走り需要に対して高すぎる家賃設定をしてしまうと空室ばかりになりかねません。そのためメゾネットを運営するには、さまざまな賃貸運営のデータを持つ不動産会社をパートナーにすることが重要なポイントです。

物件形態の特徴や地域の特性になどの情報を豊富に持っていればたとえ比較対象が少なくてもより良いアドバイスがもらえるでしょう。

メゾネットの投資価値は十分にある

メゾネットは、明確なメリットを持ち単身者からファミリー層まで根強い人気のある間取りです。需要は、決して多くないかもしれません。しかしデザインや騒音対策などを求める人には他にない魅力となり長期入居による安定した収益が期待できるでしょう。ただしメゾネットの賃貸物件へ投資するには、分母になる賃貸を求める人が多い地域を選ぶ必要があります。

都心など人口が多く賃貸需要の高い地域の物件であれば投資を検討する価値は十分にあるといえるでしょう。

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