利回りに影響する?投資物件の防犯について考える
(画像=zorpink/Shutterstock.com)
檜垣嘉孝
檜垣嘉孝
不動産賃貸仲介業、マンション管理業を経て、不動産専門ライターとして独立。コンサルティング会社を経営する傍ら自らも不動産投資を行う中で、投資家の目線に立った記事制作を心がけています。

投資物件の防犯対策について考えたことはあるでしょうか。資産価値や入居率の観点から見ても、十分な防犯対策を施しておくことは、大きな意味があります。そこで今回の記事では、投資物件の防犯対策について考えてみましょう。

なぜ、防犯対策が必要なのか

そもそも、なぜ投資物件に防犯対策を施す必要があるのでしょうか。

  • 世間的な防犯意識の高まり
    警察庁が公表している「平成28年の犯罪情勢」によれば、2016年の空き巣の認知件数は約2万6,569件、忍込み認知件数は9,794件、居空き認知件数は2,190件となっています。件数だけを見ても、1日あたり100件以上の侵入窃盗被害が発生している状況があるわけです。こうした状況の中で、公益財団法人日本防犯設備協会をはじめとする3つの法人が、「防犯優良マンション認定制度」を立ち上げます。

防犯対策が万全に施されたマンションに対してお墨付きを与えており、消費者にとってマンションを選ぶ際の新たな価値基準を提供しているのです。

  • 利回りに影響する可能性も
    上記のような基準により、防犯対策がしっかりとなされたマンションが入居者に選ばれやすくなっている一方で、そこまで万全な対策を行っていないマンションなどでは、入居者離れが懸念されています。「マンション内で空き巣が発生した」などのネガティブな情報が退去に結び付くケースがあることは想像できるのではないでしょうか。

したがって投資物件における防犯対策の有無が、利回りに影響することが考えられるのです。また、窃盗被害だけではありません。防犯対策が手薄な投資物件において、万が一殺人事件でも発生しようものなら、「事故物件」として家賃下落の主原因になることすらあるのです。

すぐにできる防犯対策とは?

投資物件に「防犯対策を施すべき」ということは、理解できたのではないでしょうか。ではオーナーとして、すぐにでも取り組める防犯対策について確認していきましょう。

  • ゴミ置き場の施錠
    マンションの外部に位置し、意外と多くの通行人から見られる場所にあるのがゴミ置き場です。こうした「見られる」場所にあるものが汚れていると、防犯意識の希薄さを見抜かれる要因にもなりかねません。ホームセンターなどで売られているナンバリング錠で施錠をするだけでも、十分な防犯効果を発揮します。

  • 共用部分のこまめな清掃
    自転車置き場や駐車場、エントランスなどの清掃をこまめに実施することも立派な防犯対策の一つです。ゴミ置き場の例と同じように、こまめに清掃された共用部分は「しっかりと管理されているマンション」という印象を第三者に与えます。それだけで侵入に対する心理的なハードルを引き上げることが期待できるでしょう。

  • 自転車シールの発行
    マンションの防犯対策として意外と知られていないのが、自転車シールの発行です。マンション居住者以外の駐輪を阻止するのに効果的なだけでなく「部外者を簡単に侵入させない」というマンションオーナーの意思を示すことができます。

これだけはやっておきたい防犯対策

上述したのは、日常的に取り組める範囲の防犯対策ですが、もう少し踏み込んだ防犯対策について紹介します。

  • ダミーカメラの設置
    防犯カメラが防犯対策に効果的なのは言うまでもありません。しかし維持費や設置費用などを考えると、足踏みをしてしまうのも事実でしょう。そこで検討したいのがダミーカメラです。ダミーカメラであれば、数千円程度で購入できるため、コスト負担も軽減できます。また一度設置してしまえば維持費や電気代などもかかりません。

まとめ

投資物件の防犯対策を行うことは、投資利回りや資産価値を高めることに一役買ってくれます。ただし一番効果的なのは、「オーナー自身が高い意識を持って防犯対策に取り組む」ということを忘れないようにしましょう。

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