9割以上が不安を抱く年金問題……もらえる金額は?対処方法は?
(画像=takasu/stock.adobe.com)
本間貴志
本間貴志
住宅/不動産ライター。WEBライティング実務士(CPAJ)。ビジネス書の編集会社、アスラン編集スタジオ勤務を経て2016年に独立。自身で賃貸経営、住宅購入の経験あり。税金をテーマにした記事の実績も多数あります。

日本の年金制度は賦課方式(その時点での保険料収入から必要な財源を支払う方式)のため、現役世代が捻出した保険料が年金受給者の原資となっています。なかには、少子高齢化に伴い「将来的に年金がもらえるのか」「年金だけで生活できるのか」といった不安を抱えている人がいるのではないでしょうか。

そこで今回は、年金に不安を感じる人がいかに多いかという事実に加えて、すでにご高齢者の大半が年金だけで生活していけない現実を明らかにしていきます。併せて、厚生年金の平均額や自分の年金額を確認する方法なども紹介します。

目次

  1. 年金だけで生活できないと考える割合は98.5%
  2. 現時点でも年金だけで暮らしている世帯は約25%しかない
  3. 年金額の平均はどれくらい?自分の年金額を確認する方法は?
  4. これからの老後は「年金+労働+資産運用」がスタンダード

年金だけで生活できないと考える割合は98.5%

2022年12月にQ.E.D.パートナーズが行った老後の年金についてのアンケート調査では、「将来の年金についてどう思いますか」という質問をしています。回答として多かったのが「とても不安を感じている」51.5%、「不安を感じている」42%です。合計すると合わせて93.5%の人が年金に不安を感じていることがうかがえます。

これだけ多くの人たちが年金に不安を感じる理由の一つは「十分な年金を受け取れないのではないか?」ということでしょう。同調査では「老後は年金だけで生活できると思いますか?」といった質問に対して98.5%の人が「NO」、 つまりほぼ全員が年金だけでは生活できないと回答しています。

現時点でも年金だけで暮らしている世帯は約25%しかない

年金の不安は「将来のこと」として語られることが多いですが、すでに多くの高齢者が年金だけでは暮らしていけない状況です。日本経済新聞が厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」をもとに作成したデータによると、年金収入だけで生活している世帯の割合は、2017~2021年の間に30%近くも減少しています(下記参照)。

・2017年:52.2%(2軒に1軒)
・2019年:48.4%
・2021年:24.9%(4軒に1軒)

ちなみに60~64歳で働いている割合は73%、65~69歳でも半数が働いています。
※参照:総務省統計局「労働力調査 2022年(令和4年)平均」

年金額の平均はどれくらい?自分の年金額を確認する方法は?

このような状況を見ると「現役世代は将来年金をいくらもらえるのだろうか」ということが気になってくるかもしれません。2021年時点の厚生年金の平均年金月額は約14万5,665円(参照:令和3年度「厚生年金保険・国民年金事業の概況」)でした。もちろんこの金額を私たちがそのまま受け取れるわけではありません。

加入期間や納めた金額が一人ひとり異なるため、自分が受け取れる年金額を確認しておくのが無難です。ちなみに自分の年金額を確認する方法は、難しくありません。厚生労働省から1年に1回誕生日月に送られてくる「ねんきん定期便」に将来の年金額が記載されています。ただし、これはあくまでも過去の実績に応じた年金額でしかありません。

厚生労働省がネット上で試験運用中の「公的ねんきんシミュレーター」を使うことで、「収入がアップしたとき(逆に減ったとき)」「自営業として独立したとき」などの年金額が確認できるため、一度試してみましょう。
※利用には、「ねんきん定期便」の情報が必要です。

これからの老後は「年金+労働+資産運用」がスタンダード

年金頼みの老後生活は、すでに過去のことになっています。現在でも60代どころか、70~74歳でも約3人に1人が働きながら生活をしている状態です。これから年金をもらう人にとっては、さらに高齢者が働くのが当たり前の時代になっているかもしれません。とはいえ、高齢になると病気になったり、障害を抱えたりする可能性があるため、労働ありきの人生設計はリスクがあります。

このリスクを軽減するのが今注目されている資産運用です。老後資金を目的とした安定性の高い資産運用には、投資信託やETF(上場投資信託)、国債などがあります。一方で、金融商品中心の資産運用は株式マーケットの暴落や金融政策に左右されやすいため、これらの影響を受けにくい現物資産(金や不動産など)も交えて運用するのが賢明です。

現物資産の運用を手軽に行える方法の一つに「不動産クラウドファンディング」があります。通常の不動産投資は、初期段階でまとまった資金が必要になりますが、不動産クラウドファンディングであれば1口1万円~など少額から運用できるのが魅力です。ただし他の投資と同様に、元本割れの可能性もあるため、投資を行う際は運営業者やファンドの中身をしっかりと精査することが大切になります。

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