大金持ちから一夜で破産?レバレッジ取引の危険な落とし穴とは
(画像=RostislavSedlacek/stock.adobe.com)
丸山優太郎
丸山優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している

自己資金の数倍の取引ができる「レバレッジ取引」は、少ない投資金で大きな利益を上げられる可能性があることがメリットです。

しかし見込みに反して投資対象が大きく値下がりした場合は、追加の証拠金の入金に追われる事態もありえます。大金持ちから破産という悲劇に陥らないためにも、レバレッジ取引の概要について把握しておきましょう。

本記事では、レバレッジ取引の概要と落とし穴について解説します。

目次

  1. レバレッジ取引とは?
  2. レバレッジ取引の落とし穴
  3. 超ハイリスク!FXは25倍のレバレッジをかけられる
  4. レバレッジをかけてよいのは不動産だけ
  5. 安心で選ぶなら不動産クラウドファンディング

レバレッジ取引とは?

レバレッジとは、和訳すると「てこの原理」という意味で、“てこ”のように小さな力(少ない自己資金)で大きなもの(資金)を動かすことを指します。レバレッジ取引とは、一定以上の証拠金を預けることで自己資金の数倍の取引ができる仕組みで、少ない自己資金で大きな利益を上げるチャンスを広げられる取引のことです。

何倍のレバレッジをかけられるかは、取引によって異なります。例えば、株式における信用取引は保証金の最大3.3倍程度ですが、国内のFX(外国為替証拠金取引)会社の場合は最大25倍まで可能です。

レバレッジ取引の落とし穴

レバレッジ取引は、魅力的な一面もありますが、その分リスクも大きくなります。例えば、値上がりまたは値下がりを狙った取引が思惑に反して逆方向に大きくはずれた場合は、注意が必要です。

取り扱っている会社によっても異なりますが、最初に入れた証拠金の一定額を下回った場合、「追証」と呼ばれる追加証拠金の入金が必要になります。

例としてSMBC日興証券の場合、イージートレードにおける必要保証金維持率は25%です。証拠金を100万円入れて300万円の取引を行った場合(3倍のレバレッジ)、保証金維持率は約33.3%(100万円÷300万円×100)となるため、追証は発生しません。

しかし取引していた300万円が50万円値下がりした場合は、証拠金の100万円から値下がり分の50万円が差し引かれて証拠金の残金は50万円です。これにより証拠金維持率は16.7%(50万円÷300万円×100)となり、必要保証金維持率の25%を下回るため、75万円-50万円=25万円の追証が発生することになります。

万が一、追証を期限までに入金できなかった場合は、行っている取引が強制決済され、損失が確定する仕組みです。これを「ロスカット」と呼びます。ロスカットに至るケースでは、現物取引のように「値下がりしても配当金をもらいながら株価の回復を待つ」という選択はできません。

超ハイリスク!FXは25倍のレバレッジをかけられる

国内FX取引会社の場合は、株式の信用取引よりも高い最大25倍のレバレッジがかけられるため、注意が必要です。例えば米ドル対円の通貨ペアで10万通貨単位の取引をする場合は、本来なら1,300万円(為替レートが1米ドル130円と仮定)といった巨額の資金が必要になります。

しかし25倍のレバレッジをかけると、52万円(1,300万円÷25)の自己資金で10万通貨単位の大きな取引が可能です。52万円で1,300万円の取引をできることは大きなメリットですが、大きく儲けようと思って証拠金を100万円にするなど手を広げ過ぎると、損失を被った場合のダメージも大きくなります。

例えば104万円を証拠金として預けた場合、レバレッジ25倍で20万通貨の取引が行うことが可能です。ただ、約2,600万円の大金を動かすことになり、為替相場が思惑と反対方向に5円動いた場合、100万円もの評価損が発生します。当然、証拠金維持率を下回るリスクも高くなり、一気に証拠金を失ってしまう可能性があるのです。

ハイリターンの投資は、魅力的に映るかもしれませんがハイリスクでもあることは肝に銘じておきましょう。

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レバレッジをかけてよいのは不動産だけ

不動産投資でもレバレッジをかけることがありますが、不動産と他の投資におけるレバレッジはリスクが大きく異なります。金融取引でレバレッジをかけるのは、証券会社や各種取引所から借金するのと同じことです。返済(入金)できなければ取り立て(追証)に追われるのは普通の借金とそれほど変わりません。

その点、不動産の場合はローンを組んで物件を購入したとしても家賃収入で返済していけるため、空室や滞納にならない限り資金手当に追われる可能性は低くなります。つまり不動産投資の場合は、ローンの毎月返済額を家賃収入の範囲内に設定しておけばよいのです。しかし金融取引では、大暴落になった場合、配当金で穴埋めするぐらいではとても追いつけません。

暗号資産(仮想通貨)には配当金すらないため、レバレッジの対象にするのは極めて危険です。これらを踏まえるとレバレッジをかけてよいのは、不動産だけといってよいでしょう。

安心で選ぶなら不動産クラウドファンディング

不動産投資には、金融機関のローンを活用して実物不動産を購入する方法だけでなく「不動産クラウドファンディング」という方法もあります。不動産クラウドファンディングであれば、低リスクで投資することも可能です。ここでは、不動産クラウドファンディングの安心できる理由を2つ紹介します。

レバレッジ取引はなく少額から取引が可能

レバレッジ取引がないため、100%自己資金で投資することになります。投資単位は、多くのファンドが1万円〜となっており、少額からの投資が可能です。

ファンド自体の値下がりリスクがない

売買市場が存在せず、ファンド自体の値下がりリスクがないため、株式のように金融危機が発生して「短期間で半値になる」といったことはありません。

投資の世界で避けなければいけないのは、分不相応な取引をすることです。なかでも暗号資産などの投機的な取引でレバレッジをかけることは破産への道をたどりかねません。

レバレッジとは無縁の不動産クラウドファンディングを上手に活用して、利回り約4〜7%の堅実なミドルリターンを狙ってみてはいかがでしょうか。

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