コインランドリー経営VS賃貸経営 土地の有効活用でメリットの大きいのはどちら?
(画像=Sopotnicki/Shutterstock.com)

土地の有効活用で一般的なのは、駐車場や賃貸物件の経営などです。しかし最近では、コインランドリー経営で土地活用をする人も増えてきました。賃貸経営と比較した場合の共通点と違いを見ていきましょう。

コインランドリーが人気の理由-短時間乾燥、大物洗いなど

コインランドリーの施設数は厚生労働省が発表している「コインオペレーションクリーニング営業施設に関する調査」によると、1996年は1万228件でしたが、2017年は約2万件でした。約20年でコインランドリーの店舗数はほぼ倍増しています。ひと昔前のコインランドリーは一人暮らしの若者が主な顧客で、暗くて狭い空間が大半でした。

しかし最近は仕事をしている女性の利用者が多く、明るく開放的な店舗が急増しています。用途も大きく変化し、以前は自宅に洗濯機や乾燥機がない人の利用が目立ちました。最近は、自宅に乾燥機があっても「短時間での乾燥目的」「寝具などの大物洗い」などが利用理由になっています。ちなみに東日本コインランドリー連合会によると、「利用目的から見るニーズ」の上位は次の通りです。

  • 乾燥が楽:33%
  • 安くて便利:23%
  • 大物洗い:17%
  • まとめ洗い:13%

コインランドリー経営と賃貸経営の共通メリット

はじめに「コインランドリー経営」と「賃貸経営(アパートやマンション経営)」の共通メリットを確認しましょう。これらには「本業の負担にならない」と「スキルがいらない」という共通点があります。

共通メリット:本業の負担にならない

会社員や自営業者でもムリなく副業できるのがこれらの事業の魅力です。賃貸経営は手間が少なくてすみます。管理会社と契約しておけば、入居者対応やトラブル処理など業務の多くを請け負ってくれるでしょう。コインランドリー経営は賃貸経営よりも手間はかかるものの、オーナーの業務はお金の回収くらいです。

店内清掃や洗剤補充の業務もありますが、パートスタッフを雇えばこれらの業務をオーナー自身がする必要はありません。

共通メリット:スキルがいらない

コインランドリー経営の場合は、フランチャイズ本部がノウハウを提供してくれるため専門的な知識はあまり必要とされません。賃貸経営の場合は、入居者対応を知り尽くした管理会社がフォローしてくれます。つまり基本的なスキームさえ覚えられれば、短期間ではじめられるのが両事業のメリットです。

利益の比較-コインランドリーは日々変化、賃貸経営は長期安定

ここから先は、両者の違いについて見ていきましょう。コインランドリー経営は「ミドルリスク×ミドルリターン」、賃貸経営は「ローリスク×ローリターン」という傾向があります。これは利益の源泉の違いによるものです。コインランドリーは日々売上が変わり、その日の天候によっても売上が大きく変化します。

雨が降ると売上が晴れた日の数倍というケースもあるようです。逆に晴天続きで売上がイマイチということもあるでしょう。賃貸経営は毎月決まった家賃収入があります。入退去が頻繁に発生しない限り、売上が激しく変動することはありません。懸念材料の一つである空室リスクは、立地のよさやサブリース契約で低減可能です。

つまり少々リスクがあってもリターンを狙いたい人はコインランドリー経営、安定重視の人は賃貸経営と相性がよいでしょう。

経費の比較-コインランドリーは定期型、賃貸事業は突発型

どちらの事業も固定費が少ないビジネスだといわれますが、以下のように中身はかなり違います。

  • コインランドリー経営の経費
    電気ガス代、洗剤代、パートスタッフの人件費

  • 賃貸経営の経費
    クーラーや給湯器などの交換費用、修繕費用、管理会社の管理料

コインランドリーの経費は毎日、毎月コンスタントにかかるものです。一方、賃貸経営の経費は管理料を除けば、コンスタントな経費は発生しません。その代わり10年前後を目安に住宅設備の入れ替え費用が発生します。

立地の比較-コインランドリーは郊外、賃貸事業は駅徒歩圏

相性のよい立地環境はかなり大きな違いがあります。コインランドリー経営は、車で来店できる郊外や幹線道路沿いが向いているでしょう(最近は都市型も浸透してきましたが)。一方の賃貸経営はマンションなら駅から徒歩圏、アパート経営は、大手企業の工場、ショッピングモール、大学のキャンパス近くの立地が向いています。所有している土地がどちらにあてはまるかは大きな判断材料です。あわせて競合店舗や競合物件の状況を踏まえて選択するのが賢明でしょう。

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