かつてタワーマンションは、高い家賃が取れることで投資家に人気がありました。ところが新型コロナウィルスの影響により社会情勢が一変……これからの時代は、コンパクトな経営が可能な低層マンションが見直されそうです。本記事では低層マンションが魅力になる理由について解説します。
新型コロナウィルスの影響で不動産市場に変化も
新型コロナウィルスは不動産のあり方にも大きな影響を与えています。これまでは駅前など利便性に優れた大規模オフィスや眺望の良いタワーマンションなどが好まれてきました。しかし新型コロナウィルスワクチンができるまでの「新しい生活様式」では、3つの密(密閉、密集、密接)を避ける必要があります。
人が密集するタイプの物件はむしろ避けられる傾向になっているのです。今後はテレワークの推進や定着もあり「オフィスの分散化が進む」という見方もあります。マンションの中でタワーマンションは、高層階へエレベーターで往来する頻度が高いため、3密状態になりやすいタイプの物件です。感染リスクと経済的問題でタワーマンションを借りる人が少なくなれば賃料相場が下がるリスクもあるでしょう。
コロナ禍でタワーマンションの需要が減るのであれば別のマンション物件を探さなければなりません。
見直される低層マンションのメリット
タワーマンションに代わって見直されているのが3~5階程度の低層マンションです。低層マンションは、住環境が良いことが大きなメリットになります。低層マンションが建っているのは、第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域が多い傾向です。建築できる建物の高さや種類が厳しく制限されています。日照制限も厳しいため、日当たりの良い物件が多いのが特徴です。
地震などの災害時に避難がしやすい点も安心できるメリットといえるでしょう。例えば地震でエレベーターがストップした場合、タワーマンションでは高層階からの非難に時間がかかります。しかし低層マンションは高くても5階程度のため階段を使って短時間での避難が可能です。
1棟マンション経営がリスクの分散になる
次にマンションの所有形態について考えてみましょう。マンション経営には分譲マンションを1戸購入して貸し出す「区分所有」とマンションを1棟丸ごと購入または開発して所有する「1棟所有」の2つのタイプがあります。どちらを選ぶかは空室リスクの許容度や資金調達の可否など人それぞれです。1戸のみの区分所有では空室が出ればその期間はまったく家賃収入がなくなります。
その点1棟所有は例えば10戸のうち2戸空室が出ても残りの8戸は稼働しているため空室の影響が押さえられリスクの分散になるのです。もしローンを返済するために確実に収入を確保したいのであれば1棟所有のほうが安全といえるでしょう。低層マンションは比較的小さな敷地でも開発ができる点はメリットです。
戸数はおおむね10~20戸の物件が多いため、100坪以下の土地にも建築することができます。中高層マンションにはないコンパクトな経営が可能です。
低層マンション投資で有望なエリアは?
低層マンション投資を行う場合は、どのエリアが有望でしょうか。高層マンションと違い必ずしも駅近の必要はありません。低層マンションは住環境を重視する入居者が多いため、駅歩6~10分の中距離立地でも十分に需要が見込めます。ただし周辺人口が多いほうが空室リスクは少なくなるため、東京23区で駅歩10分以内が最も有望なエリアといえるでしょう。
またすでに土地を持っていて低層マンションを建築したい場合は、まず入居者が見込めるかどうか市場調査をすることが重要です。さらに「低層マンションの建築が可能かどうか」についても調べる必要があります。低層マンションのメリットで述べた通り低層マンションは建築基準が厳しいため、不動産会社に調査を依頼したほうが無難でしょう。
また「1棟購入」「新規の建築」のどちらにしても資金計画が重要になります。購入の場合、東京23区が有望になる理由は、銀行が担保価値を高く評価してくれるからです。
信頼できる不動産会社に市場調査を依頼しよう
低層マンションのメリットと有望エリアについて見てきましたがデベロッパーを兼ねた不動産会社に相談すれば市場調査から資金計画まで相談に乗ってくれるはずです。まずは不動産会社のホームページを気軽に閲覧することから始めてみてはいかがでしょうか。これからの時代はタワーマンションよりも低層マンションの1棟経営がリスクの少ない不動産投資として注目が高まりそうです。
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