修繕費
(画像=pic-snipe/stock.adobe.com)

一棟マンションやアパートへの投資に興味があっても、「投資金額が大きくて一歩踏み出せない」という方は多いのではないでしょうか。不動産投資に興味があるなら、まずは少額から投資できる方法で試してみるのもひとつの方法です。今回はJ-REIT、ETF、投資信託、クラウドファンディング、区分マンションの5つの方法をご紹介します。

目次

  1. J-REIT(不動産投資信託)
    1. J-REITのメリット・デメリット
  2. REITが投資対象のETF(上場投資信託)
    1. ETFのメリット・デメリット
  3. REITが投資対象の投資信託
    1. 投資信託のメリット・デメリット
  4. 不動産投資クラウドファンディング
    1. 不動産投資クラウドファンディングのメリット・デメリット
  5. 区分マンションへの投資(ワンルームマンションなど)
    1. 区分マンションのメリット・デメリット
  6. まずは少額から不動産投資を試してみよう

J-REIT(不動産投資信託)

J-REIT(不動産投資信託)とは、多くの投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設などの不動産を複数購入し、その賃貸収入や売却益を投資家に分配する金融商品です。REITはアメリカで生まれた仕組みで、日本ではJapanのJを頭につけて「J-REIT」と呼ばれます。

J-REITは投資信託の仲間ですが、証券取引所に上場しており、株式と同じように売買できます。最低投資金額は銘柄によって異なりますが、数万円程度から投資できる銘柄が多いです。

J-REITは、決算ごとに投資家に対して分配金が支払われます。「収益の90%超を分配する」などの条件を満たすと実質的に法人税がかからないため、他の金融商品に比べると比較的利回りが高いのが特徴です。2017年以降、J-REITの分配金利回りは4%前後で推移しています。

J-REITのメリット・デメリット

J-REITは分配金利回りが高く、決算ごとに分配金を受け取れるのがメリットです。現物不動産のように毎月家賃が入ってくるわけではありませんが、定期的に分配金を受け取れるのは魅力です。投資対象が複数の不動産に分散されているので、リスク軽減にもつながります。

J-REITの総合情報サイト「J-REIT.jp」によると、J-REIT には2020年8月時点で62銘柄が上場しています。銘柄によって投資対象の不動産の種類は異なるため、外部要因によっては価格が下落し、損失が発生する可能性があるので注意が必要です。

直近では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で客足が鈍るとの見方から、ホテル系REITが下落する場面がありました。

REITが投資対象のETF(上場投資信託)

ETF(上場投資信託)とは、特定の指数(日経平均株価など)に連動し、投資成果を目指して運用される投資信託です。東証REIT指数や海外REITが投資対象のETFを購入すれば、日本や海外の不動産市場全体に投資できます。

ETFは証券取引所に上場しているので、株式と同じように売買できるのが特徴です。最低投資金額は銘柄によって異なりますが、数万円程度から投資できる銘柄が多くあります。

ETFのメリット・デメリット

ETFは、J-REITと同じく定期的に分配金を受け取れるのが魅力です。J-REITよりも投資対象が分散されるため、リスクを軽減しながら不動産に投資できます。また、株式と同じように売買できるので、タイミングによって売却益も狙えます。

一方で、ETFは株式と同じ売買手数料がかかり、保有中も「信託報酬」と呼ばれる運用コストを負担しなくてはなりません。売買手数料は証券会社、信託報酬は銘柄によって異なります。運用コストは投資成果にマイナスの影響を与えるので、なるべくコストが低い証券会社・銘柄を選ぶことが大切です。

REITが投資対象の投資信託

投資信託とは、複数の投資家から集めた資金をひとつにまとめて専門家が運用を行い、その投資成果が投資家に分配される金融商品です。

REITが投資対象の投資信託を購入すれば、少額から日本や海外の不動産市場全体に投資できます。ETFと似ていますが、投資信託は証券取引所に上場しておらず、金額単位で売買できる点が異なります。

投資信託のメリット・デメリット

投資信託は、積立投資に対応しているのがメリットです。J-REITやETFは積立投資ができないので、投資金額をコツコツ積み上げていきたい場合は投資信託が便利です。証券会社によっては月100円から積立投資を始められる銘柄がありますので、まとまったお金を用意する必要もありません。

また、基本的に分配金は支払われますが、分配金を出さずに再投資してくれるファンドもあるので、複利効果による資産増加を期待するなら投資信託を活用するといいでしょう。

一方で、投資信託は、購入時手数料や信託報酬がかかるのがデメリットです。中には信託報酬が年率1%を超える高コストのファンドもあるので、投資する際は信託報酬がいくらかかるかを確認することが大切です。

不動産投資クラウドファンディング

不動産投資クラウドファンディングとは、インターネットを通じて複数の投資家から集めた資金で不動産に投資し、賃貸収入や売却益を投資家に分配するサービスです。投資対象の物件ごとにファンドを組成し、そのファンドごとに投資を募集します。

ファンドごとに想定運用期間や想定利回りが示されており、運用条件に応じて毎月分配金が支払われます。ここまで紹介したJ-REITやETF、投資信託とは異なり、運用期間中に価格は変動しないため、価格変動リスクを気にせずに投資できます。

不動産投資クラウドファンディングのメリット・デメリット

不動産投資クラウドファンディングは、価格変動リスクを気にすることなく、毎月分配金を受け取れるのがメリットです。現物不動産の家賃収入のように、毎月分配金収入を得られます。また、価格が変動しないことから日々の値動きを気にする必要はなく、手間がかかりません。

ただし、不動産投資クラウドファンディングは元本保証ではなく、運用がうまくいかないと元本が戻ってこない可能性もあります。基本的には運用期間が終了するまで解約できないので、ファンドの収益性や運営会社の経営に問題がないかを見極めなくてはなりません。

また、不動産投資クラウドファンディングで得た分配金は雑所得に該当し、原則として確定申告が必要となる点にも注意が必要です。

区分マンションへの投資(ワンルームマンションなど)

区分マンションへの投資は、ワンルームマンションなどの1室を取得して入居希望者に貸し出し、賃貸収入を得る方法です。入居者がいれば、毎月安定して家賃収入を得られます。

区分マンションは、一棟マンションやアパートよりも投資金額が小さく、エリアや築年数によっては1,000万円以下の物件もあるので、現物不動産投資としては比較的始めやすいでしょう。

区分マンションのメリット・デメリット

区分マンションは、一棟マンションやアパートに比べて初期投資額が小さいので、初めての現物不動産投資に向いています。物件を担保として金融機関から融資を受けやすくなるため、50~100万円程度の頭金を用意できれば始められる可能性が高くなります。もし物件を現金化する必要が生じた場合でも、区分マンションなら流動性が高いため、比較的容易に売却することが期待できます。

一方で、区分マンションは、ひと部屋分の家賃収入のみですので、一棟マンション・アパートに比べると家賃収入額は少なくなります。また、一棟ものは同じ建物に貸し出せる部屋が複数戸あるので空室リスクを分散できますが、区分マンションは入居者がいないと家賃収入はゼロになってしまいます。

さらに、ひとつのマンションやアパートに区分所有のオーナーが複数いることから、自分ひとりで自由にマンションやアパートの管理・運営ができないのもデメリットと言えるでしょう。

まずは少額から不動産投資を試してみよう

一棟マンションやアパートは投資金額が大きいので、初心者の方にはハードルが高いかもしれません。この記事で紹介した5つの方法であれば、まとまった資金を用意しなくても少額から不動産に投資できます。

不動産投資に興味があるなら、まずは少額から不動産に投資できる方法を試してみて、その後に一棟マンション・アパートへの投資を検討してみてはいかがでしょうか。

大西 勝士
大西 勝士
フリーランスの金融ライター(AFP、2級FP技能士)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。10年以上の投資経験とFP資格を活かし、複数のメディアで執筆しています。

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