不動産投資の法人化VS個人事業主 利益がどれくらいになったら法人化すべき?
(画像=YANUSY編集部)
本間貴志
本間貴志
ビジネス書に特化した編集会社のサラリーマン・ライターを経て、資産運用や税務の分野を専門とするライターとして活動。自主管理で賃貸経営をする不動産投資家の顔も持つ。

不動産投資(賃貸経営)をしているオーナーの中には、「法人化すべきか迷っているが先延ばしている」という人もいるのではないでしょうか。「法人成にするか」「個人事業主のままで行くか」など、このモヤモヤした問題に決着をつけましょう。

年間利益500万円超あたりから意識しはじめて、800万円超で本格検討

「利益がいくらになったら個人事業主よりも法人のほうが税金は少なくなるのか?」といった部分がハッキリしないため、法人化すべきか判断できないオーナーも多いのではないでしょうか。例えば「法人化 目安 利益」などのキーワードで検索してみると、下記のようにバラバラの意見が出てきて混乱のもとです。

 ・事業所得が500万円以上になったら法人成を検討したほうがいい
 ・月に60万円の粗利があるなら法人化のほうがいい
 ・法人化の損益分岐点は、事業所得900万円超
 など

しかもそれぞれの意見に根拠があるため、どれを信じてよいかわからなくなります。大半の意見で所得区分と実行税率をもとにして計算を行っていますが、前提や考え方の違いで目安の利益額に差が出てきているのです。その中から一例を挙げると全国6エリアに展開する税理士法人チェイサーでは次のような目安を示しています。

  • 年間利益が500万円以下の場合:法人化による節税メリットなし
  • 年間利益が500万~700万円の場合:30万~70万円程度の節税目安額
  • 年間利益が700万~1,000万円の場合:70万~120万円程度の節税目安額
  • 年間利益が1,000万円超:100万円以上

出典:税理士法人チェイサー「税理士が教える相続税の知識」

同様の意見の税理士・会計士は多いです。年間の利益500万円超あたりから法人成を意識しはじめて利益800万~1,000万円あたりが続きそうなら本格検討するという考え方がよいかもしれません。