マンション経営で土地活用を始めたいけど、失敗が怖いという人も多いと思います。
マンション経営における失敗とは、一般的には、赤字が出てしまうことを指します。しかし、赤字にもよい赤字と悪い赤字があります。悪い赤字を出さないためには、失敗事例を学び、そうならない対策をすることが重要です。
今回は、賃貸マンション経営における失敗事例を紹介し、成功するための対策について解説します。
目次
マンション経営における失敗とは
マンション経営を行う目的は、節税対策や投資などオーナーによって様々です。
しかし、「経営」という言葉が付いていることからも、利益を出すことができるかが成否を分けると考えて良いでしょう。
では、具体的にどのような状態が失敗となるのでしょうか。
トータルの収支でマイナスになること
マンション経営において、トータル収支でマイナスになることが1番の失敗といえます。
不動産投資の主な収入源は、「家賃」「礼金」「更新料」の3つです。一方の支出には、「ローン返済額」「管理費」「修繕積立金」「賃貸管理委託料」「固定資産税」などが挙がります。
リフォームや修理・修繕をした場合には、それらも支出に含まれます。
また、不動産を購入した時に支払った税金、諸経費、不動産を売却したときの売却損益や贈与所得税の計算も必要です。
それらの収入と支出を計算して、最終的に収入より支出が多ければ、そのマンションの経営に失敗したことになります。
マンション経営の結果は、最終的には、マンションを売却するまでわかりません。何年、何十年先のことを考えて経営しなければならないのがマンション経営です。
運用中は赤字になることが多い
上述したように、運用中はさまざまな支出がかかります。特にフルローンで不動産を購入した場合、ローン返済額が占める割合が大きくなるため、毎月の収支がマイナスになることもあります。
また、入居者が決まらず空室になっている場合も、収入がないため、マイナス収支になってしまいます。
収支が毎月マイナスになると持ち出し費用になってしまうので、負担に感じることもあります。しかし、月々の収支がマイナスになることが一概に失敗とはいえません。
最終的にプラスになればよいわけですから、長いスパンで計画を立てる必要があります。
すでに土地を持っている場合は失敗する確率が低い
マンション経営で1番大きな割合を占めている支出は、土地の購入やマンションの購入・建築といった初期に発生するコストです。投資用ローンを利用する場合には、ローン返済額といってもいいでしょう。
しかし、すでに土地を持っている場合には、マンション建設の費用だけで済むため、マンション購入資金を大幅に減らすことができます。
そのため、もしローンを利用してマンションを建築したとしても、月々の返済額が大幅に削減できます。よって、毎月の支出が減り、収支がプラスになる可能性が高くなります。
マンション経営に多い失敗事例3選
では、マンション経営において陥りやすい失敗には、どのようなものがあるのでしょうか。
マンション経営における、よくある3つの失敗事例を紹介します。
入居者が入らず、長期の空室が生まれている
マンション経営の大きな収入源は入居者から支払われる家賃です。つまり、空室が発生してしまうと収入が途絶えてしまいます。
また、長期間入居者が入らない状態が長く続くと、家賃の値下げを検討しなければいけません。1部屋安くしてしまうと、他の部屋の家賃にも影響してくるので、なるべく値下げは避けたいところです。
家賃を下げないためには、マンションの価値を高める必要があります。建物が古い場合には、リフォームや修繕を行う必要が出てくるでしょう。また、普段の清掃もこまめに行う必要があるため、管理状況を見直す必要もあります。
入居者が入らないと、収入は減り、支出が増えるためマンション経営に失敗しやすくなります。
ランニングコストが高くてキャッシュが残らない
月々に支払う費用、つまり以下のようなランニングコストが高いと失敗しやすくなります。
- 委託管理費
- 修繕積立金
- 固定資産税
- 共有部の共益費
毎月の支払いが多く、収入を上回った状態が長く続くと、持ち出し額が大きくなってきます。持ち出し額が大きくなってくると、マンションを手放して楽になりたいと思う人も少なくありません。
マンションが高く売れれば収支がプラスになることもありますが、持ち出し額を少なくするため、焦って手放そうとすると安く売却してしまうケースが多いので注意が必要です。
ランニングコストが高くキャッシュが手元に残らない状態では、精神的にも耐えられず、失敗しやすくなります。
ローンの返済計画があまい
マンション経営を始める際、ほとんどの人が融資を受けるでしょう。つまり、投資用のローンを利用します。当然、月々のローン返済が必要になります。
返済には35年かかることもありますから、借入当初とは環境が変わってくる可能性が高くなります。たとえば以下のようなことが考えられます。
- 老朽化により家賃を下げなければいけなくなる
- 修繕費が年々増加する
- ローン金利が上昇し、毎月の返済額が高くなる
このように、収入が減り支出が増えた場合に、返済計画があまいと返済できなくなる可能性があります。
返済できないと、最悪の場合、マンションが競売にかけられ、安く売却しなければいけなくなります。そのため、失敗する可能性が高くなります。
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マンション経営を成功させるための対策とは
マンション経営に失敗しないためには、経営をする前からできる対策があります。
では、マンション経営を失敗せずに成功させるための対策とはどういったものなのでしょうか。
空室リスクの少ないエリアと建物を選ぶ
空室リスクを少なくするためには、エリアと建物選びが重要です。
エリアは都市部で駅近くの方が需要が高いため有利です。そのようなエリアは、周辺のマンションの入居率も高い傾向にあるため、周辺のマンションもリサーチしてエリアを選定しましょう。
また、入居者は建物の外観や内装のデザインにもこだわります。
高級感のある外観や独自性のある内装にすることで周辺のマンションとの差別化をはかり、住みたいと思わせることが重要です。
ランニングコストを見直し、削れる箇所がないか確認する
マンション経営を行うにはオーナー1人で運営することは難しいでしょう。そのため、様々な企業のサポートを必要とします。
たとえば、入居者を見つけてくる不動産会社や、マンションを管理する管理会社などです。その他にも、修理や修繕を行うリフォーム会社やメーカー、建築会社なども必要です。
それらの会社に仕事を依頼する場合には、当然費用が発生します。これらの費用を見直し、削れる箇所を削ることもマンション経営成功の近道です。
中でも、建築計画時にメンテナンス費用がかかる設備などを見直すのは有効な手段です。
メンテナンス費用の負担が大きくなるものとしては、エレベーターの点検・交換や外壁の修繕などが挙げられます。例えば低層マンションであれば、エレベーターの設置義務がないため、費用を抑える事ができます。
根拠ある収支計画を立てる
マンション経営は長期的な経営になるため、ちょっとした計画の違いが、収支に大きく効いてきます。
たとえば、先ほどご紹介したエレベーターは、メンテナンス内容によって費用は異なりますが、年間で約40万円のメンテナンス費が発生します。低層マンションの場合、エレベーターを初めからなくせば、35年で約1,400万円ものランニングコストを抑える事ができます。
そのため収支計画は慎重に立てましょう。家賃収入の変動や空室率も考慮しつつ、いつ修繕するかなど年ごとの支出も計算が必要です。
先々を見通すためには、根拠となるデータが必要になるので、専門家や土地活用の実績が豊富な企業に相談しましょう。
マンション経営において、パートナー選びは重要
今まで説明してきた通り、マンション経営には多くの専門家のサポートを必要とします。
不動産会社の中には、販売や仲介だけではなく、建築や管理も行っている会社もあります。また、不動産会社を通して、優良な企業とつながることもできます。
そのため、最初に不動産会社を慎重に選ぶことが重要になります。経験豊富でマンション経営のノウハウがある不動産会社とパートナーを組むことが、マンション経営成功の第一歩です。
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