リスクの少ない土地活用とは。やっぱり賃貸経営がベスト?

土地活用はしたいけれど、リスクを考えるとためらってしまい、なにも活用しないまま土地を持っている人は多いようです。

初期投資が少なく、リスクが少ない土地活用法も存在しますが、残念ながらリスクとリターンは相関関係にあり、リスクが少ない土地活用では、大きなリターンを得ることができません。

今回は、リスクが少ない土地活用を紹介するとともに、なかでもおすすめの活用方法である賃貸経営について解説します。

目次

  1. リスクが少ない土地活用は収益性が低い?
    1. リスクが少ない土地活用3選
    2. 土地活用にノーリスク・ハイリターンはない?
    3. ローリスクの土地活用は、将来転用の予定があるならおすすめ
  2. 土地活用はリスクヘッジをした賃貸経営がベスト?
    1. 改めて賃貸経営のメリットとは
    2. 賃貸経営におけるリスクヘッジとは
  3. 賃貸経営を始める前に、知っておくべき注意点
    1. 法令上の制限を確認しておく
    2. 建築計画より先に資金計画を立てる
    3. 実績があり、信頼できる不動産会社に依頼する

リスクが少ない土地活用は収益性が低い?

土地活用も、投資という側面を持つ資産活用法のため、リスクがつきものです。
入居者や利用者の減少、災害、ローンを利用している場合は金利の上昇などが具体的なリスクとして挙げられます。

ここでは、このようなリスクの少ない土地活用と収益性について紹介していきます。

リスクが少ない土地活用3選

初期投資が少なく、リスクが少ない土地活用3選を紹介します。

駐車場経営

駐車場経営は初期投資が少なく済むので、リスクが少ない土地活用法です。また、比較的小さな土地でも始められるのがメリットです。

標準的な自動車は1台分で4坪弱の広さが必要です。2台分確保するなら、8坪弱の広さがあれば駐車場を作ることができます。コインパーキングで、ロック板や精算機を設置することを考えると、10〜15坪の広さがあれば2台分の駐車場経営が可能です。

駐車場経営には、主に月極駐車場とコインパーキングの2つの方法があります。

月極駐車場は、区画を区切ればすぐに始められ、初期費用がほとんどかかりません。その代わり、契約者がすぐに見つからなければ、収益を得るまでに時間がかかります。

一方のコインパーキングはロック板や精算機といった初期費用がかかりますが、始めてすぐに収益が出る可能性があります。

駐車場経営は、建物を建築する必要がないことから、後に別の土地活用を行うことになっても、転用しやすいという点は大きなメリットです。
しかし、駐車場は更地扱いとなるため、固定資産税や都市計画税の優遇措置がありません。税制の優遇を受けられる住宅用地と比べると税金が高くなるというデメリットがあります。

定期借地

一定期間土地を貸す、定期借地もリスクの少ない活用法です。

契約の更新もなく、期間が満了すれば必ず土地が返ってきます。そのため、将来利用するかもしれない土地でも、収入が得られます。また、土地を利用するのは借地人なので、自分で初期投資をする必要がありません。

しかし、契約期間が長期となることに留意が必要です。定期借地の借り手は事業用や居住用として利用します。契約内容はいくつか種類がありますが、契約期間は最低でも10年以上となります。

契約タイプ契約内容契約期間
一般定期借地権契約終了時は土地を更地に戻したうえで、貸主へ返還する50年以上
建物譲渡特約付借地権30年以上経過した場合に土地所有者が建物を買い取る30年以上
事業用借地権事業用目的に限られ、居住用建物を所有する目的には使用できない10年以上50年以内

また、事業用や居住用での利用目的で借りられるため、それらの需要が高いエリアでなければ、定期借地のニーズはないでしょう。

自動販売機の設置

狭い土地やデッドスペースの活用には、自動販売機の設置という方法もあります。

自動販売機を設置する方法は2つあります。
自分で自動販売機を購入して設置する場合と、自動販売機業者に設置してもらう場合です。

自動販売機を設置してもらう場合は、土地を貸すだけなので、自己負担なく始められます。
業者に管理を任せてしまえば、収益の計算やドリンクの補充は販売業者が行うため、ほとんど手間をかけずに収益が得られます。

土地活用にノーリスク・ハイリターンはない?

紹介してきた土地活用は、初期投資が比較的少ないため、リスクが低いと感じるかもしれません。

しかしこのような土地活用は、収益性が低く、大きな収益を望めないことが欠点です。

土地活用をしたことがなく、まずは経験としてリスクの少ないものから始めるのは悪くないでしょう。一方、収益目的で土地活用をスタートさせたいならば、ある程度リスクを負うことも必要かもしれません。

ローリスクの土地活用は、将来転用の予定があるならおすすめ

リスクが小さい土地活用は、基本的にすぐに始められ、すぐに終わらせることができるのがメリットです。

そのため、近い将来にほかの使い道がある土地の一時的な活用には、おすすめの土地活用になります。

収益性が低いから、やる価値がないかというとそうとは限りません。

土地活用はリスクヘッジをした賃貸経営がベスト?

ローリスクな土地活用では、収益性が低く、税金や維持費を払ったら、ほとんど手元に残らないということもあります。そのため、多少のリスクを許容しながらも、高収益の土地活用にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

高収益が見込める土地活用として、賃貸経営をおすすめします。リスクヘッジをすることで、リスクを下げながら、収益をあげることが出来ます。

ここでは、賃貸経営のメリットとリスクヘッジについて解説していきます。

改めて賃貸経営のメリットとは

アパート経営やマンション経営などの賃貸経営には、多くのメリットがあります。主なメリットを4つ紹介します。

長期での収入が見込める

賃貸経営は、家を借りてくれる人がいれば、家賃収入を継続的に得られるので、長期的に安定した収入が得られます。

そのため、老後資金の確保のために、賃貸経営をする人も少なくありません。

少ない自己資金で始められる

賃貸経営には、大きな建築費用がかかるため、たくさんの自己資金を用意しなければいけないと思うかもしれません。

しかし、賃貸経営のほとんどが不動産投資ローンを利用するため、自己資金が少なくても始めることができます。

ローンは賃貸経営の家賃から支払うことができるので、賃貸経営中も自己資金を大量に用意する必要はありません。

このようにローンを利用できることが、他の投資とは大きく違い、最大のメリットともいえます。

税金対策になる

賃貸経営で家賃収入を得ている場合には、所得税や住民税を支払わなければいけません。

しかし、家賃収入から経費を引いて、赤字になっている場合には、赤字部分を給与所得や事業所得と相殺できます。特に、アパート経営を始めた年や大規模修繕を実施した年は、大きな節税効果を得られます。

経費の中には、建物の減価償却費も含めることができるので、実際に支出をしていなくても、節税ができます。

また、賃貸経営は相続税対策としても有効です。
たとえば、評価額が1億円の土地を相続した場合、更地では1,220万円の相続税がかかるのに対して、賃貸住宅が建っていれば、45万5,000円と相続税を大幅に削減できます。

上記相続税の計算条件

  • 土地の評価額:1億円
  • 広さ:150㎡
  • 相続人:1人
  • 貸家建付地の評価額:8,110万円
  • 小規模住宅地等の特例:あり

生命保険の代わりになる

アパートやマンションを建てる時、多くの人がローンを組みます。そして、ローンを組む時には、ほとんどの場合「団体信用生命保険」に加入することが義務となっています。

この団体信用生命保険は、ローン契約者が死亡や高度障害状態になったときに、ローン契約者に代わって保険会社がローンを完済してくれる制度です。

ローンは完済されますが、建物は家族の持ち物になるので、引き続き家賃収入が得られるほか、現金が必要になった場合には、売却することも可能です。

このように、賃貸経営は、もしもの時に家族を金銭面でサポートしてくれる生命保険の代わりになります。

※画像提供元:株式会社LeTech
※画像提供元:株式会社LeTech

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賃貸経営におけるリスクヘッジとは

賃貸経営に失敗しないためには、リスクヘッジが必要です。
主なリスクヘッジを3つ紹介します。

十分な市場調査を行う

賃貸経営で最も大きいリスクが、空室リスクです。
空室になってしまうと、当然家賃収入が入ってこなくなるので、収益性が悪化します。

家賃収入でローンを返済している場合、ローンを自己資金から支払わなければいけなくなるので、ローンが払えなくなるおそれもあります。

空室をなるべく少なくするためには、市場調査が欠かせません。
その地域に賃貸需要はあるのか、他の賃貸物件がどのくらいの家賃なのか、今後の市場の変化はどうなのか、十分に調査しましょう。

このような調査は、周辺の雇用環境やそのエリアの将来性などを把握する必要があります。専門性や膨大な情報量を必要とするため、土地活用に精通した会社に相談することが賢明です。

建物の差別化を図る

空室を減らすためには、建物の差別化も重要です。

入居希望者は、インターネットで部屋探しが気軽にできるようになったため、複数の部屋を簡単に比較できるようになりました。そのため、差別化ができていないと目に留まることも少なく、入居希望者が現れにくくなっています。

差別化としてわかりやすいのは、デザインです。
デザイン性に優れていることで、入居希望者の目に留まりやすくなるだけでなく、物件紹介や案内をする不動産会社からも提案しやすいといったメリットがあります。

また、「おうち時間が」増えている昨今では、少しでも広い部屋が好まれます。梁や柱が必要のない構造を選択することで、すっきりとした空間を提供でき、入居者のニーズに応えられます。

デザイン性の他に、間取りや設備、ペット可やDIY可といった条件で差別化するのもよいでしょう。

自己資金の割合を高め、借り入れを少なくする

少ない自己資金でも始められる賃貸経営ですが、自己資金の割合を高め、借入額を少なくすると、毎月のローン返済額が減らせます。

そのため、万が一、空室で家賃収入が入ってこなくても、破産するリスクが減ります。
また、頭金を多くすることで、ローン金利を下げられる場合もあるので、より返済額が少なくなります。

賃貸経営を始める前に、知っておくべき注意点

リスクの少ない土地活用とは。やっぱり賃貸経営がベスト?

ここまで、たくさんのメリットを紹介してきた賃貸経営ですが、いくつかの注意点もあります。

法令上の制限を確認しておく

賃貸経営をするには、建築基準法や都市計画法の制限などを知っておく必要があります。

土地によっては、そもそもマンションやアパートが建てられなかったり、建てられる大きさが制限されていたりする可能性があります。

法令上の制限は役所で調べられますが、専門用語も多く理解するのは簡単ではありません。賃貸経営に詳しい不動産会社に相談してみましょう。

また、所有する土地の制限が厳しくても、賃貸物件を建築できる可能性は十分あります。
限られた狭い土地に、最大限収益を見込める建築ノウハウを持った不動産会社に依頼しましょう。

建築計画より先に資金計画を立てる

賃貸経営を始めようとすると、どのような建物を建てようかと悩んでしまいますが、その前に、資金計画を立てることが重要です。

資金計画が立たなければ、建築できませんし、建築できたとしても破産してしまうおそれがあります。

資金計画時の主なチェックポイントは以下のとおりです。

  • どこの金融機関を利用するのか
  • 資金はいくら借りられるか
  • 返済期間はどのくらいか
  • 金利はどうするか
  • 返済方法はどうするか
  • 毎月いくらの収入があるか
  • 毎月いくら返済しなければいけないのか
  • 繰り上げ返済をするのか

実績があり、信頼できる不動産会社に依頼する

不動産会社には、得意な分野があります。不動産売買が得意な会社、仲介が得意な会社、賃貸経営が得意な会社などです。

賃貸経営をするなら、賃貸経営の実績があり、信頼できる不動産会社を選びましょう。
不動産会社選びは、収益にも直結します。リスクヘッジとして紹介した、市場調査や建物の差別化以上に重要かもしれません。

会社、担当者ともに信頼できるパートナーを選びましょう。

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