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2019.8.7

米中貿易戦争に振り回される世界経済を生き抜く3つの法則

(画像=Dilok Klaisataporn/Shutterstock.com)
(画像=Dilok Klaisataporn/Shutterstock.com)
2019年6月のG20大阪サミットでも世界から注目を浴びた、米中首脳会談。これだけ米中両国首脳の会談内容が注目された理由はもちろん、激しさを増す米中間の貿易戦争とまで呼ばれる対立が背景にあったからです。GDP規模で世界第1位と第2位の大国同士に起きている貿易事案であることもあって、世界経済への影響は必至です。

もちろんその影響から日本経済も免れることはできず、企業や投資家にとって「どう生き抜くか」は大きな課題となっています。今後の経緯によっては引き続き世界経済が振り回される可能性が高いことを踏まえ、これからの世界経済を生き抜くための「3つの法則」を解説します。

米中貿易戦争の概要

一般的に米中貿易戦争と呼ばれる対立は、2018年7月に米国が中国からの輸入品2,500億米ドル分への制裁関税を発動したことに端を発しています。この直後に中国は対抗措置として米国からの輸入品1,100億米ドル分に報復関税を発動しました。その後、双方による協議や一時的な休戦状態を経て、2019年5月からは再び交渉が決裂したことを受けて関税の引き上げや対象品目の拡大をします。

さらには中国の大手IT企業「ファーウェイ」への制裁強化などが立て続けに発動され、中国側もそれに対抗をしたことで報復の応酬が起き、米中間の対立が激化しました。2019年7月現在、G20大阪サミットでの合意を受けて休戦状態にありますが、両国の溝が埋まっているわけではなく火種がくすぶったままの状態であることは変わりありません。

米国が制裁関税を発動したことがすべての始まりに見える経緯ですが、その前から米国は知的財産権の扱いについて懸念を表明しており、これに関する合意事項を中国側が一方的に削除したことが直接のきっかけです。この根本的な対立が解消されない限り、貿易を舞台にした米中間の紛争は今後も続くとみられています。

法則① 米中貿易戦争と株式市場との相関関係

株式市場は、米中貿易紛争の影響を強く受けています。米中貿易戦争を仕掛けている当事者である米国は目下経済の好調が続いており、株価の史上最高値更新が幾度となく起きている状態です。トランプ政権はアメリカ・ファースト(米国第一主義)を掲げているため、米国の内需関連や軍需産業、さらに貿易関連にも幅広い恩恵があるでしょう。

もとより好調を維持している米国株の好調は続き、今後も好調を維持する可能性は高いと考えられます。しかし一方で日本株をはじめ米国以外の株式市場は米中貿易戦争の影響で上値を抑えられている一面も否めません。米中貿易戦争によって中国経済が低迷すると取引先である国々は多大な影響を受けてしまうでしょう。

「アメリカ・ファースト=米国以外は優先しない」という意味でもあるため、業績への悪影響が懸念されていることが株価にも反映しています。それを象徴しているのが、好調な業績を維持しているにもかかわらず株価に反映されていない日本の自動車メーカーでしょう。多くの市場参加者は米国から高い関税を課されるのではないかとみており、それが業績の頭を押さえつけてしまうことが材料視されているわけです。

法則② 米中貿易戦争と為替レートとの相関関係

為替レートへの影響もみてみましょう。すでにFX投資家の多くは「トランプ相場」を何度も経験しているため、トランプ政権の動向が為替レートに多大な影響を及ぼすことを熟知しています。外国為替市場における日本円は安全通貨と見なされているのです。そのため世界の経済に悪材料があるとリスクを嫌った資金が、超低金利であるものの安全通貨である日本円に流れる傾向が長らく続いています。

米中貿易戦争の動向によって交渉が決裂し、米中双方が強硬的な政策を打ち出すと円高になる地合いなので、ネガティブなニュースが出れば円高だと思って問題ありません。

法則③ リスクオンとリスクオフそれぞれに正しい投資行動

マーケットには、リスクオン(リスク選好)とリスクオフ(リスク回避)という2つの大きな流れがあります。大きな流れとしてリスクオンになると株高と円安、そして逆にリスクオフになると株安と円高が起きるという傾向です。つまり米中貿易戦争が激化し、不安定化するとリスクオフの流れが起きてしまう可能性が高くなります。

そして米中貿易戦争で何らかの合意や着地点が見出されると市場は安定化するため、より大きな利益を求めてリスクオンの流れが起きるでしょう。この大きな傾向を把握しておくだけで、米中貿易戦争に関するニュースに振り回されることなく、むしろ利益を上げるチャンスを得られる可能性が高くなります。

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