税務調査を甘く見てはいけない!タンス預金がバレる理由とは
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世界経済の先行きが不透明な時代では、お金を増やすことよりも守ることに注力している人も多いのではないでしょうか。実際自宅に現金を保管しておく「タンス預金」が高齢者を中心に増加傾向です。「どこにも預けなければ財産を把握されることがない」と思っている人も多いかもしれません。しかし税務調査の対象となった場合には、高確率でタンス預金の存在が発覚してしまいます。

そこで今回は、タンス預金がなぜ税務署へバレてしまうのか、その理由について見ていきましょう。

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そもそもなぜタンス預金をするのか

高齢者は、なぜタンス預金を行う人が多いのでしょうか。2021年3月に日本銀行が発表した「参考図表2020年第4四半期の資金循環統計」によるとタンス預金額は、2020年末の時点で個人保有現金が約101兆4,399億円でした。金融緩和政策によって超低金利状態が続く中、タンス預金の額はほぼ右肩上がりに増加しています。

なぜタンス預金はなくならないのでしょうか。それは、タンス預金が持つメリットにあります。タンス預金として自宅に現金を置いておけばわざわざ銀行に足を運んでお金を出し入れする必要がありません。万が一金融機関が破たんしても財産がなくなることもないでしょう。災害時や急に現金が必要になったときにも手元に現金があればすぐに必要な分だけ使うことができます。

またタンス預金は、相続時の銀行口座凍結を気にする人にとっても有効です。一般的に、預金者が亡くなったときその事実が金融機関へ知られてしまうと銀行口座が凍結されお金を引き出せなくなります。葬儀などに現金が必要でも故人の口座からはお金を引き出せません。しかしタンス預金なら凍結される心配は皆無です。

これらにメリットを感じている人は、タンス預金で自分の財産をコントロールしているのかもしれません。なかには「タンス預金なら税務署にバレずに財産を残せる」と考える人もいるようです。

タンス預金も相続税の対象です!

ただし「タンス預金なら税務署にバレずに財産を残せる」といったうまい話はありません。相続したタンス預金の存在を相続財産にカウントせず黙っていると税務調査によってタンス預金がバレてしまい追徴課税が発生してしまうこともあります。

タンス預金がバレる理由は「口座の照会」

いくらうまく隠しているつもりでも税務署はタンス預金の存在に気がつきます。生活を見られているわけでもないのになぜ税務署は個人資産を把握できるのでしょうか。その理由は口座の照会にあります。例えば故人が生前タンス預金としていたものを相続後に相続人の銀行口座へ預金した場合、口座残高が急に増えていることで「タンス預金を相続した可能性あり」とされてしまうのです。

収入も把握されていることを忘れずに

税務署は、個人収入や資産の動きを「国税総合管理(KSK)システム」で把握しているのです。このシステムから税務署は「個人がどれだけ収入を得て資産を保有し税を納めているのか」について照会できます。そのため生前の収入が多いのにもかかわらず相続額が少ない場合、「資産をどこかに隠している可能性がある」と疑われてしまうことがあるのです。

その後税務調査が入りタンス預金の存在が発覚すると申告しなかった相続財産の分の税金を支払わなければなりません。追徴課税は、通常の相続税率よりも高く設定されているため、正直に申告したほうが無駄な税金を支払わずにすみます。

申告は正しく行おう

追徴課税が発生すると本来納める相続税額よりも高い金額の税金を納めることになります。タンス預金がある人は、相続予定の親族に対してタンス預金も正しく申告するように伝えておきましょう。

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